「把握お願いします」は敬語として使える?5つのシーン別の言い換え方を紹介
初回公開日:2021年03月01日
更新日:2021年01月20日
記載されている内容は2021年03月01日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

「把握お願いします」は敬語表現になる?
「把握お願いします」という言い回しをビジネスシーンで聞いたことがあるという人は多いでしょう。この「把握お願いします」という表現は「しっかりと把握してください」という意味で一見敬語表現のようですが、実は正しい敬語表現ではありません。
また使う相手によっては失礼にあたる場合もある表現です。ここでは「把握お願いします」」という表現についてと言い換え表現、シーン別の敬語表現についてみてきます。また、「把握お願いします」という表現を使う時の注意点についてもご紹介します。
「把握する」のそもそもの意味
「把握」とは手中に収める、握りしめるという意味と、十分理解するという意味もあります。「把握」の「把」という文字は片手で握るという意味があり、「握」にはつかむという意味があります。つまり、「把握」はどちらもつかむという意味をもちます。
また、「把握」は名詞にあたり、動詞のように変化することがない単語になります。
目上の人に対して使うと失礼にあたる?
「把握お願いします」という表現を目上の人に使うのは失礼にあたります。「把握お願いします」という表現は一見丁寧な敬語のように感じますが、「把握」という言葉そのものが敬語表現でないため、相手に理解してほしい場合は別の表現にするべきでしょう。
そのため、「把握お願いします」という表現は上の立場の人が下の立場の人に使うのは問題ありませんが、逆に下の立場の人が目上の人に使うと失礼になってしまうということになります。
「把握お願いします」の言い換え表現
「把握お願いします」という表現を目上の人に対して使うことが失礼にあたるということがわかりましたが、では「把握お願いします」の言い換え表現にはどういったものがあるのでしょうか。
ここでは「把握お願いします」の言い換え表現についてご紹介します。言い換え表現も複数ありますので、使用する場面にふさわしい表現を選択して使用するようにしましょう。
「お含みおき」に言い換える
「把握お願いします」の言い換え表現に「お含みおきお願いします」があります。
「お含みおき」という表現には「心に留めておく」、「了解しておく」といった意味があります。「お含みおきください」とすることによって尊敬語になるので、上司や社外の人など目上の人にも使用できます。
「お含みおきください」を使うときの例文
「把握お願いします」の言い換え表現に「お含みおきください」があることがわかりましたが、ここでは実際に使う例文をみていきましょう。
たとえば、出張で不在になるということをメールで伝えるというような場面では、「来週は出張のために不在となりますので、あらかじめお含みおきください」というように使います。
ビジネスメールではできるだけ相手に失礼のない表現を使うために、このフレーズはとても役立ちます。また予定が立たず間に合わない場合などは、「ご返信がないと期日までに○○が間に合わなくなりますので、お含みおきください。」というように使うこともできます。
「ご了承」に言い換える
「把握お願いします」という表現は、「ご了承ください」という表現に言い換えることができます。「ご了承ください」という表現はビジネスシーンでもよく使用される表現で、相手に対し許可や理解を得るために使用する言葉です。
ただし、目上の人に使用する場合は、「ご了承ください」ではなく「ご了承のほどお願い申し上げます」というように敬語表現で使用するようにしましょう。
「ご了承ください」を使うときの例文
「ご了承ください」という表現はビジネスシーンでよく用いられますが、ここではこの表現を使った例文をみていきます。
まずは「あらかじめご了承ください」という表現です。これは事前に何等かの注意喚起を呼びかける場合に用いる表現です。「当店では携帯電話の利用を禁止させていただいておりますので、あらかじめご了承ください」というように使用されます。
また、ビジネスシーンにおいてはより丁寧に表現したいときに「ご了承くださいませ」というように語尾を丁寧な表現にする言いまわしもよく使われます。
【シーン別】「把握お願いします」の敬語表現5つ
「把握お願いします」という表現は敬語表現としては誤っているということでしたが、ここではシーン別の「把握お願いします」に匹敵する敬語表現をご紹介します。
「把握お願いします」の敬語表現は、シーンごとに、また誰に対して使う言葉なのかによって言い回しが変わりますので、その違いに注目してご確認ください。
「把握お願いします」の敬語表現1:客先に使う場合
「把握お願いします」を客先に使う敬語表現に、「ご理解賜りますようお願いいたします」があります。
この表現は、取引先やお客様にあらかじめ理解してほしいことがある場合に使用します。把握という言葉は敬語表現できませんが、「ご理解」と「賜る」を合わせて敬語表現とすれば、客先に失礼のない表現となります。
「把握お願いします」の敬語表現2:上司に使う場合
「把握お願いします」の敬語表現として上司に使う場合は、「ご承認賜りますようお願い申し上げます」という表現があります。
上司に認めてもらう、許可をもらうという場合に使用する表現で、「承認」という言葉に接頭語の「ご」をつけることで尊敬語となり、また「賜りますよう」と「お願い申し上げます」という表現でより丁寧な敬語表現となります。
「把握お願いします」の敬語表現3:同僚に使う場合
「把握お願いします」の敬語表現として同僚に使う場合は、「ご確認ください」、「ご承知おきください」という表現になります。
「ご確認ください」、「ご承知おきください」は、同僚に確認を促したい場合に用いますが、「確認」、「承知」の前に「ご」という接頭語をつけることで尊敬語となっています。
なお、「~ください」という表現は丁寧語になります。丁寧で敬語表現ではありますが、この表現は上司など目上の人に使うには失礼にあたるため、同僚や部下への言い回しとして使うようにしましょう。
「把握お願いします」の敬語表現4:メールで使う場合
「把握お願いします」の敬語表現をメールで使う場合は「ご承認賜りますようお願い申し上げます」という言い方があります。この表現は、ビジネスシーンなどで相手から承認してもらったり、理解してもらう場合に使用します。
また、来客などで相手にいつ行くのかを知らせたいというような場合は「〇月〇日〇時より貴社へ伺う予定ですので、ご了承いただきたく存じます。」というように表現します。
長期出張などで不在の場合は、「○○へ出張のため不在となりますこと、お含みおきください」というように使います。
「把握お願いします」の敬語表現5:電話で使う場合
「把握お願いします」の敬語表現を電話で使う場合は「ご理解のほどよろしくお願いします」という表現があります。
この言い回しであれば、相手が目上の人であっても失礼にあたりません。「理解」に「ご」をつけることで尊敬語となりますので、相手に何かしら理解してもらうことがある場合やお願いする場合に電話で使用していい表現といえるでしょう。
「把握お願いします」を使う時の注意点
「把握お願いします」という表現は相手にあらかじめ知ってほしいことがある場合や承認してほしいことがある場合に使う表現ですが、敬語表現ではないため目上の人には使用できない言い方で注意が必要です。
ここでは「把握お願いします」に似た表現である「ご承知おきください」という表現の注意点についてご紹介します。
「ご承知おきください」という言い換えは不適切
「ご承知おきください」という表現は「あらかじめご理解ください」という意味で、承知という言葉に「ご」という接頭語がついており尊敬語となっていますし「~ください」という表現は丁寧語ですので丁寧な言い回しではあります。
しかし、「ご承知おきください」という表現は丁寧ではあるものの、目上の人に使用するのは不適切です。それは「ご承知おきください」が「知っておいてください」という意味で、目下の者が上の者に対して一方的に物事を決めるような響きがあるためです。
「承知」の意味は「知っていること」「聞き入れること」
「ご承知おきください」の「承知」という言葉の意味は、「知っていること」、「聞き入れること」という意味です。
「ご承知おき」という表現を使うことで、目上の人が聞き入れるということをこちらから指示しているようにも捉えられかねない表現ですので、目上の人に使うことは避けた方がいいでしょう。
「承る」「承知する」は謙遜のニュアンスがある
なぜ「ご承知おきください」という表現を目上の人に使ってはいけないのでしょうか。それは「承る」、「承知する」という表現は謙遜のニュアンスがあり、へりくだって理解することを意味するためです。
そのため「ご承知おきください」という表現は、上司など目上の人に使うことは避けたほうがいいでしょう。承知の「承」は「うけたまわる」ともよめますし、相手がへりくだって理解するというようにも受け止められる可能性があるからです。
「知っていてください」「聞き入れてください」は一方的
「ご承知おきください」という表現は一見丁寧な表現に感じますが、「承知」するのは相手側であり「知ってください」、「聞き入れてください」という意味となるため、こちらから一方的に要求しているとも捉えられる表現です。
そのため「ご承知おきください」という表現は、目上の人には使わない方が無難です。表現そのものは間違っているわけではありませんが、目上の人には使わないようにしましょう。
そもそも「把握お願いします」と書く必要はない?
「把握お願いします」という表現が敬語表現でなく、ビジネスシーンの使用にはふさわしくない言い回しであることがわかりました。そもそも「把握お願いします」とは「知ってください」という意味で、用件を相手に伝えたあとの念押しのような意味も持ちます。
そう考えると、必要な用件のみ相手に伝えるだけで十分であり、「把握お願いします」という表現そのものが不要ともいえます。
とはいえ、どうしても念押ししたいという場合には、上述で紹介したように「ご理解のほどよろしくお願いします」、「ご承認賜りますようお願い申し上げます」のようにシーンに合わせて表現を変えてみれば失礼にもあたりませんので表現を変えて伝えてみましょう。
「把握お願いします」は命令的にならないように注意しよう
「把握お願いします」という表現は目上の人に使うには上から目線の表現であるために不適切だということがわかりました。
丁寧語や尊敬語を用いたとしても「把握」という言葉そのものが相手に失礼にあたる場合もあるので、目上の人に使用する場合は別の表現を使うように気をつけましょう。
「把握お願いします」は相手に理解を強要するようにも受け捉えられかねず、相手によっては不快感を与える可能性もありますので、相手と自分の関係性をよく考慮した上で使用するように注意しましょう。

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