インバスケット試験は事前対策が必要|知っておくべき7つのチェック能力とは?
初回公開日:2020年10月01日
更新日:2020年09月27日
記載されている内容は2020年10月01日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

インバスケット試験とは?
現在、大手企業を中心に昇進・昇格試験の際に採用されている「インバスケット試験」をご存知でしょうか。限られた時間・設定されたシミュレーションの中でいかに解決策を探っていくか、結果をどのように導いていくか、を試される試験のことです。
それではまず、「インバスケット」という言葉の語源・起源からご紹介します。
インバスケットの語源は?
「インバスケット」(IN-BASKET)とは「未処理箱」のことです。決裁・回答待ちの書類が山積みとなった箱、と言えば分かりやすいでしょうか。もしくは、未開封メールが溜まった状態の「受信BOX」をイメージされるといいかもしれません。
インバスケットの起源は?
「インバスケット」の起源は、半世紀程前のアメリカ空軍にあると言われています。空軍内の教育訓練機関において、これまでの教育・訓練の結果を測定するために開発され、それが徐々に民間企業・官公庁などにも広まっていったとされています。
インバスケット試験対策|チェックされる7つの能力について知る
「正解はない」と言われるインバスケット試験ですが、試験に向けて繰り返しシミュレーショントレーニングを行うことにより下記4つの効果が得られる、とされています。
それではこれから、インバスケット試験でチェックされる7つの能力をご説明していきます。
1.優先順位設定力の向上
出典: https://www.in-basket.jp/how/inbasket/ |
2.問題解決力の向上
3.洞察力の向上
4.判断に自信が付く
チェックされる能力1:本質的問題を発見する力
ある問題が起こり、あなたが無事解決したとします。しかし、翌日、また同じ問題が起こりました。
というような状況は、多くの方が望まないのではないでしょうか。目の前の問題だけを解決できればいいのではなく、二度と同じ問題が起こらないように、問題に潜む本質的な部分を発見・解明し、解決していく必要があります。ここに「2.問題解決力の向上」効果が発揮されます。
チェックされる能力2:発見した問題を分析する力
翌日にまた起こった問題の解決に挑んでいるうちに、本質的な部分を発見することができました。さて、あなたがその次にすべきことは何でしょうか。
目の前の問題だけに目を向けるのではなく、関連しそうな他の問題なども把握する必要があります。関連情報を収集し、その内容を理解し、幅広い視野を持ち、論理的に考え分析することにより本質的な部分を把握することができます。ここに「3.洞察力の向上」効果が発揮されます。
チェックされる能力3:方針方向性などの意思を決定する力
さあ、あなたは問題の本質的な部分が把握できました。しかし、問題解決に使える時間はそう多く残されていません。いかに的確に、そして時間内に解決することができるか、評価者は見守っています。
問題の本質を捉えることができたとしても、限られた時間内に最善の意思決定を行い、的確に処理しなければ「解決」とは言えません。ここに「1.優先順位設定力の向上」効果が発揮されます。
チェックされる能力4:周辺状況も含めて全体を洞察する力
最善の意思決定を行おうとするあなたですが、ここで考慮しなければならないものがあることに気が付きました。
それは、まだ問題が起こっていない案件等との関連性です。設定された内部環境だけではなく、会社で言えば取引先や他部署等の外部環境も考慮する必要があります。これらすべての全体像を把握し、意思決定を行う能力が洞察力です。ここに「3.洞察力の向上」効果が発揮されます。
チェックされる能力5:自らが企画したり計画したりする力
問題の本質的な部分を把握し全体像も理解できたあなたですが、問題解決には別の能力が必要なことにも気が付きました。
それは「問題解決のためには具体的に何をどうすればいいのか」を企画・計画する能力です。具体的な企画・計画がなければ、物事は先に進んでいかないものです。ここにも「3.洞察力の向上」効果が発揮されます。
チェックされる能力6:重要事項を見極める力
問題解決のための具体的な計画が出来上がりつつある中で、あなたは優先順位について少し迷い始めました。
問題解決に至るステップが複数ある場合、優先順位を間違えると大問題に発展しかねないケースもあります。「Aを先に処理することで、BやCにはどのような影響を与えるだろうか」等、様々なシミュレーションを予め行うことにより、重要事柄が見えてくるようになります。
その結果、優先順位を間違えることなく問題解決に臨むことができます。ここに「1.優先順位設定力の向上」「3.洞察力の向上」効果が発揮されます。
チェックされる能力7:答えを導き出すプロセス
あなたが最善の問題解決策を計画している間に、他の社員が既に問題を解決したことを知りました。
問題が解決されたのであれば、解決に用いたその手段は「正解」とされがちですが、インバスケット試験で測定しているのは「経緯(プロセス)」です。数学の試験でも答えだけを記載するのではなく、その答えを導き出した過程を記載する問題があります。
インバスケット試験では「どのような結果を出したのか」ではなく「どのようにしてその結果を出したのか」を重要視しているのです。
インバスケット試験対策|試験の4つのポイントを知る
ここまで読んでいただいて、「インバスケット試験」に対して高いハードルを感じられた方がいらっしゃるかもしれません。そのようなあなたにお伝えしたい、試験のポイントとおすすめの対策テクニックがあります。
ここからは試験対策として、インバスケット問題の4つのポイントを解説していきます。
ポイント1:設定された人物になりきる
試験で設定される職種や職位は、ほとんどの場合、現在あなたが就いているものとは異なっています。未経験のシチュエーションの中で「いかに問題解決へ導くか」が重要だからです。
また、現在と同じようなシチュエーションでの試験では、ある特定の受験者が優位になってしまう恐れや、業界・職種特有の専門的解決策が提示されてしまう恐れがあります。
そうなってしまっては、受験者本人が本来持っている能力を正確に評価することが難しいため、あえて設定を変えているのです。
試験が始まったら、設定された人物にいかになりきることができるか。これが一つ目のポイントです。
ポイント2:試験時間が厳しく設定されている
実際にインバスケット試験を受験された方のほとんどが、試験後のアンケートで「時間が足りなかった」「すべての問題を解決できなかった」と答えています。
計画的に問題を解決するためにも、優先順位を正しく設定するとともに、時間配分にも徹底的に気を配る必要があります。
ポイント3:関連性がある設問となっている
一つの問題で導き出した解決策が後に出てくる問題では全く役に立たない、もしくは異なる解決策を取らざるを得ない、ということが試験中に起こることがあります。試験では、複雑に関連している問題を十分に読み解いた上で、総合的に判断・解決する能力が求められているのです。
試験時間を無駄にしないためにも、各設問・各問題が独立したものとは考えず、「どのように関連し合っているのか」を念頭に置き、試験を進めていくことが重要です。
ポイント4:絶対的な正解がない
先にも触れましたが、「インバスケット試験」の問題には「絶対的な正解」がありません。それは、試験で問われているのは「良い結果を得る能力」ではなく、あらゆる場面において「良い判断をする能力」だからです。
インバスケット試験対策|試験の6つのテクニックを知る
インバスケット試験について正しく理解することで、正しいトレーニングを積むことができます。以下ではインバスケット試験対策として、6つのテクニックをご紹介します。インバスケット入門・初級者の方にも、さらには中級・上級者の方にもお役立ちの試験対策テクニックです。
試験のテクニック1:最初に試験問題の全体概要を把握する
ポイント2でも触れましたが、とにかく時間配分を徹底的に管理しなければ、より多くの問題を解決できないのがインバスケット試験です。そして「関連性がある設問となっている」(ポイント3)となっているため、まずは試験問題の全体の概要を把握する必要があります。
また、全体の概要を把握する中で各設問の重要度や緊急度を確認する、関連性を図にまとめる、などの工夫も必要になります。上手くまとめられるようなトレーニングを積んでおくことも、試験対策の一つとなるでしょう。
試験のテクニック2:組織構成や人員構成の全体概要を把握する
試験では、あなたが未経験の環境が設定されている場合がほとんどです。その環境はどのような組織で構成されているのか、どのような人員が配置されているのか、設定環境の全体概要を把握することが重要です。
また、「設定された人物になりきる」(ポイント1)も重要です。設定された環境に対する「あなた自身の気持ち・感情」を封印しなければ、正しい概要把握が困難になります。
試験のテクニック3:関連する問題をグループ化する
先に触れたように、試験で出される設問は「関連性がある設問となっている」(ポイント3)ため、解決策を考える前に関連性を整理しておくことが重要です。それぞれの設問で矛盾が起こらない解決策を探っていくためにも、関連する問題のグループ化は欠かせない作業になります。
また、関連する問題から情報を収集することも重要になります。日頃から、収集した情報を基に一つの物語を紡ぎ出すトレーニングを積むことも、有効な試験対策になります。
試験のテクニック4:重要なものから処理していく
インバスケット試験では「試験時間が厳しく設定されている」(ポイント2)ため、全体概要を把握することができたら、重要なものから処理していくことが肝要です。
この優先順位を間違えてしまうと、最後に重要なものが残ってしまい、結局時間が足りずに未回答で終わってしまう、ということになりかねません。試験前のトレーニングにおいても、この点を特に意識することが重要な試験対策となります。
試験のテクニック5:後回しするものは『Pending』などを明記する
「テクニック4」でご紹介したように、試験では重要なものから取り掛かる必要があります。そのため、回答せずに飛ばした設問には「Pending」と記載しておく等、後から回答する際にすぐわかるようにしておくことが重要です。トレーニングの中で、ご自身の回答パターンを構築していくことも有効な対策になります。
試験のテクニック6:回答は素早く簡潔に記入する
このテクニックもまた「試験時間が厳しく設定されている」(ポイント2)ため、重要になります。必要以上の時間をかけないためにも、素早く簡潔に記入するトレーニングが必要です。
どうしても時間が足りなくなってしまう方は、すべての設問に最小限の回答を記入し終わった後、不足部分を追記していく、といった手法を取り入れてみるのも試験対策となりえます。
インバスケット試験対策|事前に演習問題などで繰り返し訓練することが重要
インバスケット試験のポイントや対策についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。試験前のトレーニングは欠かせない、と感じられた方も多いのではないでしょうか。
事前に演習問題などで繰り返しトレーニングを積むことで、重要度・緊急度・優先度の判別が時間をかけずにできるようになります。しっかり対策して好成績を収めましょう。

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