有給消化中の転職は可能?退職時の有給消化の基礎知識6つと合わせて解説

初回公開日:2021年08月25日

更新日:2021年08月25日

記載されている内容は2021年08月25日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

この記事では、有給消化中の転職におけるポイントや注意点について解説しています。スムーズに新しいステップに移行できるよう事前準備をしっかり行い、最終的には円満退職ができることを目的としています。是非最後まで読んでみてください。

有給消化中の転職は可能?退職時の有給消化の基礎知識6つと合わせて解説

有給消化中の転職について

有給消化中の転職については何かと疑問点が多いです。また、有休消化中に転職先企業で働くことは可能です。企業によっては二重就労の禁止規定を設けていることもありますが、それは本来の業務に専念させるためになります。

在籍中の企業と転職先の了解があれば問題ありませんが、両社の就業規則を忘れずに確認するようにしましょう。

有給消化中の転職に関する基礎知識6つ

有給消化中の転職に関する基礎知識について以下に記載していきます。いざというときに慌てることがないようしっかりと確認し、最後にはスムーズ(円満)に退職ができるようにしましょう。

1:有給取得は労働者の権利

そもそも有給休暇の取得は労働者に与えられた平等な権利です。取得する時期や期間、利用目的などについて原則として制限されません。

辞める前に有休を取得するのに後ろめたさを感じてしまう人もいるでしょうが、労働者に与えられた権利であり、企業側としても取得させることは義務になります。

しかしながら、想定以上に引継ぎに時間がかかってしまったりする可能性もあります。そのような事態に備えるためにも、事前に退職日から逆算し、調整したうえで有給を消化しましょう。

2:派遣社員も有給を消化できる

派遣社員の場合でも有給休暇を消化できます。しかしながら注意点もあります。それは、派遣契約期間内で有給休暇を取得するという点です。契約満了後に有給休暇は取得できないため、満了日までの日数および有給休暇の日数を照らし合わせましょう。

もしも、派遣の契約期間満了日までに有給休暇を消化しきれない場合には、派遣元に相談し、契約期間を延長してもらいましょう。

3:取得可能な有給日数は勤続日数によって変わる

有給休暇の支給条件は2つあります。一つが入社後6か月間継続して働いていることで、もう一つが労働日のうち8割以上出勤していることです。

上記2つの条件を満たしたうえで、取得可能な有給休暇の日数は、勤務年数に応じて増えていきます。

初めて有給休暇を取得できるのが入社から6か月後で、日数は10日です。なお、週所定労働日数が4日のパートタイム労働者が6か月勤務した場合に付与される年次有給休暇の日数は7日です。

その後、継続年数が1年半で11日、2年半で12日、3年半で13日といった具合に、勤続年数が増えるごとに有給日数も増加していき、6年半以降は法律上1年ごとに20日支給されます。

2年間の消滅時効に服するとされており(労働基準法115条)、2年間経過すると付与された有給休暇は消滅することになるため、継続して毎年20日間の有給休暇を付与されていたとしても、3年よりも前に付与された各20日の有給休暇は時効により消滅することになります。

出典:労働基準法115条|e-GOV法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000049

4:有給消化のタイミングは2パターン

退職する際の有休消化はどのタイミングで行えばよいのでしょうか。パターンは大きく分けて2パターンあります。

1つ目は最終勤務日前に有休を消化するパターンで、もう1つが最終勤務日後に有休を消化するパターンです。前者の場合は最終出社日が退職日で、後者の場合は有給を消化し終えた日が退職日になります。

以下、それぞれのパターンについて解説していきます。

最終勤務日前

まずは、最終勤務日前に有給休暇を消化するパターンについてです。退職日となる最終勤務日よりも前に有給休暇を消化するため、引き継ぎは有給休暇を消化し始める前か、消化期間が終わった後に行います。

最終勤務日後

次に最終勤務日後に有給休暇を消化するパターンです。こちらは有給休暇を消化し終えた日が退職日となります。そのため、引き継ぎは有給休暇を消化し始める前に完了させておく必要があります。

5:もし消化しきれない場合買取してもらえる場合もある

原則として、有給休暇の買取りは法律上で禁止されていますが、例外的に認められているケースもあります。例えば、退職時に消化しきれない有給休暇がある場合です。

しかしながら、買取りしてもらえるか、いくらで買取ってもらえるかなどは企業によって異なりますので、人事や労務に相談してみましょう。

6:有給消化中もボーナスは支給される

ボーナスの支払日において有給消化中だったとしても、支給対象となります。

満額支給されないことも考えられますので、具体的な金額について知りたい場合は、スケジュール相談の際に合わせて確認してみるとよいです。

転職時の有給消化中のトラブルについて

有給休暇は労働者に与えられた権利であるとはいえ、事前の準備や周りへの配慮も大切です。そして、円満退職できればいうことはありませんが、実際問題として、有給休暇を取得・消化するにあたってトラブルが起こる場合も少なくありません。

有給休暇分の給料支払いがされなかった

退職日前に有給休暇を消化し、その後、給与明細を確認したら消化日数分だけ給与から引かれていたパターンがあります。

有給ではなく無給の休暇として扱われていたことになりますので、会社側に確認をしてみましょう。

会社へ必ず申請する

有給消化の申請を適正に行い、受理されていたにもかかわらず、給与が支払われなかった場合には、会社側の賃金不払いとなります。そのため、不足額分の請求を行うようにします。その際、証拠となるように書面での請求を行った方がよいでしょう。

もしそれでも会社からのレスポンスがなかったり、支払いを拒否されたりした場合には、労働基準監督署へ相談しましょう。

有給休暇を使えなかったときは?

また、よくあるケースとして、退職するのに有給休暇を消化するのは非常識などと理由付けし、有給休暇を取得させない場合もあります。有給休暇の取得は権利であることを主張したとしても、聞く耳を持たないことも考えられます。

現状、何かしら理由をあげて是が非でも有給休暇を取得させないようにする企業は多いです。しかしながら、いかなる理由であっても企業側が有給申請を拒否することは本来できません。

人事に申請をする

上記ケースの場合、相談および申請する相手を会社の人事部へと変更しましょう。人事部の場合、立ち位置が当事者とは離れているため、客観的に物事を判断してもらえることが期待できるからです。

また、人事部であれば法律や労務に関しても詳しいため、上司の言い分の違法性もわかってもらえることが期待できます。

労働基準監督署へ相談に行く

上司だけでなく、人事部に相談しても有給申請が受理されなかった場合は、もはや会社全体として法律を守る意識に欠けているといえます。そのため、最後の手段として労働基準監督署へ相談しましょう。

あるいはその前に、労働基準監督署に相談する旨の発言をするだけでも効果的です。会社としても、就業規則や事実確認などの調査が入ることは避けたいため、申請を受理してもらえる可能性があがります。

有給消化中の転職についてのポイント5つ

有給消化中に、転職先で働き始める場合があります。その際に押さえておくべきポイントがあるので注意が必要です。知らずに行動し、不利益を被ることがないよう事前に下記のポイントをしっかりと確認しておきましょう。

1:どちらかの会社が副業を禁止しているとNG

有給消化中に転職先の企業で働くこと自体は法律的に問題ありませんが、事前に両社の就業規則を確認する必要があります。というのも、一方もしくは両方の会社で副業や兼業の禁止が規定されている場合があるからです。

いわゆる二重就労の禁止で、規定を破った場合には、就業規則違反行為として懲戒解雇になってしまう場合があります。その場合、退職金が支払われなくなったりしてしまいます。

短期のアルバイトでも同様に禁止ですが、心配であれば事前に直接確認しましょう。

2:両方の会社から了承を得れば可能

在籍中の企業と転職先の企業、双方において二重就労が禁止されておらず、また了解が得られた場合は問題ありません。しかしながら、以下に記載の雇用保険については注意が必要です。

3:雇用保険喪失手続きが必要

先述の通り、双方の企業で二重就労が問題ない場合でも、雇用保険喪失手続きは別途行う必要があります。雇用保険に関しては二重加入ができないからです。そのため、事前に在籍している企業担当者に確認をしましょう。

4:年金や健康保険は重複加入可能

雇用保険に関しては二重加入ができないため、喪失手続きが必要でしたが、厚生年金や健康保険、労災保険に関しては二重加入が可能となります。そのため、特に事前の手続きが必要ということはありません。

5:有給消化中に転職準備をするのはOK

有給消化中に転職準備をすることは全く問題ありません。そもそも企業に在籍し、働きながらの転職の準備が可能です。有給消化中であっても企業に在籍していることに変わりはありません。

もし働きながらではなかなか転職準備をする余裕がない場合は、この期間を有効活用しましょう。しかしながら、転職準備に想定以上の時間がかかってしまうのも珍しくありません。退職してからの転職準備では収入がなくなってしまうというデメリットもあります。

いずれにせよ、転職準備の長期化は焦りのもとです。余裕をもって納得できる転職をするためにも、早めに活動を開始しましょう。

転職前にスムーズに有給消化するためのコツ4つ

有給休暇の取得は権利とはいえ、それによって職場に迷惑を掛けてしまうのはよくありません。もし転職先にその情報が流れてしまった場合、悪い印象を与えてしまいます。今までお世話になったという感謝の気持ちをもって有給消化できるようにしましょう。

また、少しでも不安に思うことがあれば就業規則の確認および相談することも大切です。そのうえで、以下に転職前のスムーズな有給消化をするためのコツを4つ解説していきます。

1:直属の上司に有給取得の意思を早めに伝える

退職することが決まった場合、早めに直々の上司に有給取得の意思を伝えましょう。退職日や引き継ぎ、有給の日数など、具体的なスケジュールを相談する必要があるからです。

現状、多くの企業では1~2か月前に退職を申し出るようになっています。理由としては、人材補充や引き継ぎを考慮しているからです。

退職の際に有給休暇を消化したい場合には、退職の申し出と同時に伝えるようにしましょう。そして有給消化の日数が長いほど、引き継ぎのための期間は短くなってしまうので、円満退職のためにも、早めの相談が重要です。

2:有給日数と取得スケジュールをよく確認する

有給休暇の取得可能な日数は人によって異なります。そのため、事前に何日間取得できるのかを確認したうえでスケジュールを組みましょう。

その際に注意したいポイントとして、就業規則に定められている休日は有給休暇としてカウントされません。

例えば転職希望者が現在、完全週休二日制(土日休み)の企業に勤めている場合、土曜日と日曜日は休日扱いとなり、有給休暇としてカウントされません(有給の残日数が減らない)。

そのことを知らずにスケジュールを組み、最終的にすべての有給を消化できなかったといった事態に陥らないように気をつけましょう。

3:引き継ぎの時間を確保する

スケジュールを組み終えたら、最後までしっかりと引き継ぎを行いましょう。その際、社内だけでなく取引先にも有給消化期間があることを伝えておく方がよいです。

退職日および有給消化について知らない取引先から連絡が来て、対応が遅れてしまうといった事態を避けるためです。

4:有給消化のための証拠を確保する

先述のように、有給休暇を申請したにもかかわらず、実際には有給扱いになっていなかったなどのトラブルは発生し得ます。口頭での申請ではしらを切られてしまう場合もありますので、メールで申請したり、申請書に記載してコピーしたりして、証拠を確保しましょう。

有給消化中の転職について知ろう

有給消化中の転職について解説しましたがいかがでしたでしょうか。スムーズに次のステップへと進めるように、計画的な有給消化のための計画をたてて、円満退職できるようにしましょう。そのためにも早め早めの相談や行動が大切になります。

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